第1章 IoTの概要を知るの要点
AI の歴史、DX、クラウドとエッジの用語を整理

更新日 2026年10月26日 読む時間の目安 約6分
この記事の要点
  • 第1章は、IoT がなぜ必要とされるのかを、AI の歴史・DX・データの循環・クラウドとエッジの言葉で押さえる章です。
  • IaaS・PaaS・SaaS、CPS・SoS・M2M のような似た略語の組み合わせが問われます。
  • 用語は「どの話題か」で6つに分けると、覚えやすくなります。
この記事の目次
  1. この章で問われること
  2. 6つのまとまりと押さえる用語
  3. 取り違えやすい組み合わせ
  4. この章の勉強の進め方
  5. 第1章の問題を解いてみる
  6. よくある質問

この章で問われること

第1章「IoTの概要を知る」は、IoT の全体像をつかむ章です。AI やコンピュータ技術の移り変わり、DX の考え方、IoT システムの構成、クラウドとエッジコンピューティングまで、広く浅く出ます。次の第2章からは、IoT のサービスや事例を具体的に見ていきます。

本番の60問のうち、第1章からは8問前後と予想しています。もちこ道場の模擬試験(60問・60分)は、全8章からほぼ均等に問題を出す作りで、第1章からは8問を出しています。試験全体の約13%にあたります。

もちこ道場の第1章の問題は90問です。本番と同じ3つの形式に分けると、次のようになります。

形式 問題数
穴埋め(1か所) 30問
穴埋め(組み合わせ) 30問
誤った記述を選ぶ 30問

出てくる用語は、どの話題かで、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。

第1章の用語の6つのまとまり 1. AI の歴史 AIブーム・深層学習 2. DX と社会の変化 DXレポート・VUCA 3. データの循環 CPS・SoS・M2M 4. IoTシステムの要素 デバイス・GW・サーバ 5. クラウドとエッジ IaaS・PaaS・SaaS 6. Web と開発の考え方 Web3.0・アジャイル
第1章の用語の6つのまとまり(もちこ道場のまとめ)

6つのまとまりと押さえる用語

1. AI の歴史

用語 ひとことで
第1次AIブーム 1960年代。人間の脳の働きをコンピュータで実現しようとしたが、低迷した
エキスパートシステム 第2次AIブーム(1980年代)の中心。専門家の知識をもとに推論計算で問題を解く
深層学習 第3次AIブームの転換点。2012年の画像認識の国際コンペで高い認識率を示した
生成AI 急速に普及し、第4次AIブームの始まりとみる見解がある

2. DX と社会の変化

用語 ひとことで
DXレポート 経済産業省が公開。老朽化やブラックボックス化した既存システムが DX の障壁になると警告した
2025年の崖 DXレポートで克服が求められた課題
DXレポート2.1 従来のピラミッド型から、固定的でないネットワーク型の産業構造への移行を提案した
VUCA 急激な環境変化で、先の予測が難しい状態
顧客価値 デジタル産業では、顧客が認める価値の高さに着目する
協調領域・競争領域 協調領域はオープン環境を活用し、差別化できる競争領域に資源を集中する

3. データの循環

用語 ひとことで
データ駆動 IoT で集めたデータを蓄積し、AI で分析した結果を IoT へ戻す循環で、データを価値に変える
CPS クラウド上のサイバー空間と、工場などの実空間をデータの循環で結び付ける
デジタルツイン 現実のモノから得たデータをもとに、デジタル空間に複製して再現する
SoS 複数のシステムからなるシステムも1つのシステムとみなす。各システムは単独で動く
M2M 人が介在せず、機械どうしが通信して自律的に制御する

4. IoT システムの構成要素

用語 ひとことで
IoTデバイス センサ、アクチュエータ、またはその両方と通信モジュールが一体になった機器
アクチュエータ 指示に応じて動く駆動部
IoTゲートウェイ デバイスとサーバの間でデータを中継する
IoTサーバ データを蓄積・分析して還元する
IoT基盤 CPS の考え方で ICT システムを構築し、集めたデータに付加価値を付ける

5. クラウドとエッジ

用語 ひとことで
パブリッククラウド 不特定多数にサービスを提供し、環境を全体で共有する
オンプレミス サーバを自社で所有し、自社ネットワーク内に置く
IaaS ハードウェアやインフラを提供する(HaaS とも呼ぶ)
PaaS IaaS の上の階層。データベースやアプリケーションサーバなどの基盤を提供する
SaaS 最上位。ソフトウェアの機能そのものを提供する
BaaS PaaS の上で、スマートデバイスのバックエンドの標準機能をまとめて提供する
エッジコンピューティング データ発生源の近くで処理する。クラウドと機能を分担する

6. Web と開発の考え方

用語 ひとことで
Web1.0 一方向の情報発信
Web2.0 双方向通信が整い、情報閲覧から情報交換の場へ
Web3.0 ブロックチェーン技術が基盤。メタバースが実現されようとしている
メタバース VR やアバターを介して交流できる3次元の仮想空間
アジャイル開発 市場変化に素早く対応するため、小さくつくって迅速にスケールさせる
エコシステム 異なる業界・業種の企業が集まり、補い合って価値を共創する集合体

取り違えやすい組み合わせ

選択肢には、同じまとまりの用語が並びます。次の組み合わせは、「何が違うか」を一言で言えるようにしておきます。

組み合わせ 見分け方
IaaS・PaaS・SaaS 提供する範囲が、インフラ(IaaS)→基盤(PaaS)→ソフトウェアの機能(SaaS)と広がる
CPS と SoS 実空間とサイバー空間をデータで融合する(CPS)か、複数のシステムを1つとみなす(SoS)か
M2M と CPS 機械どうしの通信(M2M)か、データの循環で両空間を結ぶ(CPS)か
パブリッククラウドとオンプレミス 環境を共有する(パブリック)か、自社で所有する(オンプレミス)か
クラウドとエッジ 遠くでまとめて処理する(クラウド)か、発生源の近くで処理する(エッジ)か
第2次と第3次のAIブーム エキスパートシステムが中心(第2次)か、深層学習が転換点(第3次)か

この章の勉強の進め方

  1. 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
  2. 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
  3. 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。

勉強の全体の計画は「勉強時間の目安と1か月の計画」にまとめています。

第1章の問題を2問、解いてみる

もちこ道場の第1章(無料体験)の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。

問1

経済産業省が2018年に公開した「DXレポート」では、既存システムの老朽化・複雑化・ブラックボックス化によってDXの効果が限定的になる状況に対して警鐘を鳴らし、「1の崖」の克服を推奨しました。

答えと解説を見る

正解は 2(2025年)です。

【概要】

経済産業省は2018年9月公開のDXレポートで、老朽化やブラックボックス化した既存システムがDXの障壁になると警告し、2025年の崖の克服を求めた。

【図解】実験的機能

経済産業省のDXレポートの流れ 経済産業省のDXレポートの流れ

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. 2020年あなたの解答 2020年は、デジタルガバナンスコードやDXレポート2が公表された年であり、DXレポートが掲げた崖の年ではない。
  • 2. 2025年正解あなたの解答 2025年は、DXレポートの副題に含まれる崖の年であり、既存システムの課題を乗り越えるべき節目として示された。
  • 3. 2030年あなたの解答 2030年は、DXレポートで崖の名称に用いられた年ではなく、DX動向の説明にも節目として登場しない。
  • 4. 2035年あなたの解答 2035年は、DXレポートで警鐘を鳴らした崖の年として示されたものではなく、本問の空欄には当てはまらない。

問2

クラウドコンピューティングの利用形態の中で、仮想化されたアプリケーションサーバ、データベースなどが提供され、利用者がその上で独自のアプリケーションを動かせるサービスを1と呼びます。

答えと解説を見る

正解は 3(PaaS)です。

【概要】

PaaSはIaaSの上の階層の利用形態で、仮想化したデータベースやアプリケーションサーバなどの基盤をクラウドで提供する。

【図解】実験的機能

クラウドの利用形態と種類 クラウドの利用形態と種類

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. IaaSあなたの解答 IaaSはHaaSとも呼ばれ、サーバ仮想化や共有ディスクなどのインフラ部分を提供する、PaaSより下の階層の形態である。
  • 2. SaaSあなたの解答 SaaSはWebメールやグループウェアなど完成したソフトウェアの機能を提供する、PaaSより上の階層の形態である。
  • 3. PaaS正解あなたの解答 PaaSは仮想化したデータベースやアプリケーションサーバを提供し、利用者は独自のアプリを稼働させられる。
  • 4. BaaSあなたの解答 BaaSはPaaSの環境を活用し、ユーザ管理や認証などスマートデバイスのバックエンド機能を標準で提供する。
この続きを解く

第1章の90問は、登録なしでそのまま解けます。解説と図解も同じ形で付いています。

第1章の続きを解く

よくある質問

第1章はどの章とつながっていますか?

第1章で出てくる IoT システムの3つの要素(デバイス・ゲートウェイ・サーバ)は、第2章でサービスの階層として、第3章でデバイスとして詳しく扱います。第1章で言葉をそろえておくと、後の章が読みやすくなります。

IaaS・PaaS・SaaS はどう見分けますか?

下から IaaS、PaaS、SaaS の順に階層になっています。IaaS はハードウェアやインフラ、PaaS はその上の基盤(データベースやアプリケーションサーバなど)、SaaS はソフトウェアの機能そのものを提供します。

クラウドとエッジコンピューティングは、どちらを使うのですか?

両方を使い、分担します。全データをクラウドで扱うと通信量や保管量に限界が出るため、データが生まれる場所の近くで処理できることはエッジで行い、残りをクラウドで行います。

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出典・注記

出題範囲は、2026年10月26日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。

  1. IoTシステム技術検定 基礎(MCPC 公式)