第1章 IoTの概要を知るの要点
AI の歴史、DX、クラウドとエッジの用語を整理
- 第1章は、IoT がなぜ必要とされるのかを、AI の歴史・DX・データの循環・クラウドとエッジの言葉で押さえる章です。
- IaaS・PaaS・SaaS、CPS・SoS・M2M のような似た略語の組み合わせが問われます。
- 用語は「どの話題か」で6つに分けると、覚えやすくなります。
この章で問われること
第1章「IoTの概要を知る」は、IoT の全体像をつかむ章です。AI やコンピュータ技術の移り変わり、DX の考え方、IoT システムの構成、クラウドとエッジコンピューティングまで、広く浅く出ます。次の第2章からは、IoT のサービスや事例を具体的に見ていきます。
本番の60問のうち、第1章からは8問前後と予想しています。もちこ道場の模擬試験(60問・60分)は、全8章からほぼ均等に問題を出す作りで、第1章からは8問を出しています。試験全体の約13%にあたります。
もちこ道場の第1章の問題は90問です。本番と同じ3つの形式に分けると、次のようになります。
| 形式 | 問題数 |
|---|---|
| 穴埋め(1か所) | 30問 |
| 穴埋め(組み合わせ) | 30問 |
| 誤った記述を選ぶ | 30問 |
出てくる用語は、どの話題かで、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。
6つのまとまりと押さえる用語
1. AI の歴史
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 第1次AIブーム | 1960年代。人間の脳の働きをコンピュータで実現しようとしたが、低迷した |
| エキスパートシステム | 第2次AIブーム(1980年代)の中心。専門家の知識をもとに推論計算で問題を解く |
| 深層学習 | 第3次AIブームの転換点。2012年の画像認識の国際コンペで高い認識率を示した |
| 生成AI | 急速に普及し、第4次AIブームの始まりとみる見解がある |
2. DX と社会の変化
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| DXレポート | 経済産業省が公開。老朽化やブラックボックス化した既存システムが DX の障壁になると警告した |
| 2025年の崖 | DXレポートで克服が求められた課題 |
| DXレポート2.1 | 従来のピラミッド型から、固定的でないネットワーク型の産業構造への移行を提案した |
| VUCA | 急激な環境変化で、先の予測が難しい状態 |
| 顧客価値 | デジタル産業では、顧客が認める価値の高さに着目する |
| 協調領域・競争領域 | 協調領域はオープン環境を活用し、差別化できる競争領域に資源を集中する |
3. データの循環
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| データ駆動 | IoT で集めたデータを蓄積し、AI で分析した結果を IoT へ戻す循環で、データを価値に変える |
| CPS | クラウド上のサイバー空間と、工場などの実空間をデータの循環で結び付ける |
| デジタルツイン | 現実のモノから得たデータをもとに、デジタル空間に複製して再現する |
| SoS | 複数のシステムからなるシステムも1つのシステムとみなす。各システムは単独で動く |
| M2M | 人が介在せず、機械どうしが通信して自律的に制御する |
4. IoT システムの構成要素
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| IoTデバイス | センサ、アクチュエータ、またはその両方と通信モジュールが一体になった機器 |
| アクチュエータ | 指示に応じて動く駆動部 |
| IoTゲートウェイ | デバイスとサーバの間でデータを中継する |
| IoTサーバ | データを蓄積・分析して還元する |
| IoT基盤 | CPS の考え方で ICT システムを構築し、集めたデータに付加価値を付ける |
5. クラウドとエッジ
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| パブリッククラウド | 不特定多数にサービスを提供し、環境を全体で共有する |
| オンプレミス | サーバを自社で所有し、自社ネットワーク内に置く |
| IaaS | ハードウェアやインフラを提供する(HaaS とも呼ぶ) |
| PaaS | IaaS の上の階層。データベースやアプリケーションサーバなどの基盤を提供する |
| SaaS | 最上位。ソフトウェアの機能そのものを提供する |
| BaaS | PaaS の上で、スマートデバイスのバックエンドの標準機能をまとめて提供する |
| エッジコンピューティング | データ発生源の近くで処理する。クラウドと機能を分担する |
6. Web と開発の考え方
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| Web1.0 | 一方向の情報発信 |
| Web2.0 | 双方向通信が整い、情報閲覧から情報交換の場へ |
| Web3.0 | ブロックチェーン技術が基盤。メタバースが実現されようとしている |
| メタバース | VR やアバターを介して交流できる3次元の仮想空間 |
| アジャイル開発 | 市場変化に素早く対応するため、小さくつくって迅速にスケールさせる |
| エコシステム | 異なる業界・業種の企業が集まり、補い合って価値を共創する集合体 |
取り違えやすい組み合わせ
選択肢には、同じまとまりの用語が並びます。次の組み合わせは、「何が違うか」を一言で言えるようにしておきます。
| 組み合わせ | 見分け方 |
|---|---|
| IaaS・PaaS・SaaS | 提供する範囲が、インフラ(IaaS)→基盤(PaaS)→ソフトウェアの機能(SaaS)と広がる |
| CPS と SoS | 実空間とサイバー空間をデータで融合する(CPS)か、複数のシステムを1つとみなす(SoS)か |
| M2M と CPS | 機械どうしの通信(M2M)か、データの循環で両空間を結ぶ(CPS)か |
| パブリッククラウドとオンプレミス | 環境を共有する(パブリック)か、自社で所有する(オンプレミス)か |
| クラウドとエッジ | 遠くでまとめて処理する(クラウド)か、発生源の近くで処理する(エッジ)か |
| 第2次と第3次のAIブーム | エキスパートシステムが中心(第2次)か、深層学習が転換点(第3次)か |
この章の勉強の進め方
- 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
- 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
- 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。
勉強の全体の計画は「勉強時間の目安と1か月の計画」にまとめています。
第1章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第1章(無料体験)の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
経済産業省が2018年に公開した「DXレポート」では、既存システムの老朽化・複雑化・ブラックボックス化によってDXの効果が限定的になる状況に対して警鐘を鳴らし、「1の崖」の克服を推奨しました。
答えと解説を見る
正解は 2(2025年)です。
【概要】
経済産業省は2018年9月公開のDXレポートで、老朽化やブラックボックス化した既存システムがDXの障壁になると警告し、2025年の崖の克服を求めた。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. 2020年あなたの解答 2020年は、デジタルガバナンスコードやDXレポート2が公表された年であり、DXレポートが掲げた崖の年ではない。
- 2. 2025年正解あなたの解答 2025年は、DXレポートの副題に含まれる崖の年であり、既存システムの課題を乗り越えるべき節目として示された。
- 3. 2030年あなたの解答 2030年は、DXレポートで崖の名称に用いられた年ではなく、DX動向の説明にも節目として登場しない。
- 4. 2035年あなたの解答 2035年は、DXレポートで警鐘を鳴らした崖の年として示されたものではなく、本問の空欄には当てはまらない。
問2
クラウドコンピューティングの利用形態の中で、仮想化されたアプリケーションサーバ、データベースなどが提供され、利用者がその上で独自のアプリケーションを動かせるサービスを1と呼びます。
答えと解説を見る
正解は 3(PaaS)です。
【概要】
PaaSはIaaSの上の階層の利用形態で、仮想化したデータベースやアプリケーションサーバなどの基盤をクラウドで提供する。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. IaaSあなたの解答 IaaSはHaaSとも呼ばれ、サーバ仮想化や共有ディスクなどのインフラ部分を提供する、PaaSより下の階層の形態である。
- 2. SaaSあなたの解答 SaaSはWebメールやグループウェアなど完成したソフトウェアの機能を提供する、PaaSより上の階層の形態である。
- 3. PaaS正解あなたの解答 PaaSは仮想化したデータベースやアプリケーションサーバを提供し、利用者は独自のアプリを稼働させられる。
- 4. BaaSあなたの解答 BaaSはPaaSの環境を活用し、ユーザ管理や認証などスマートデバイスのバックエンド機能を標準で提供する。
第1章の90問は、登録なしでそのまま解けます。解説と図解も同じ形で付いています。
よくある質問
第1章はどの章とつながっていますか?
第1章で出てくる IoT システムの3つの要素(デバイス・ゲートウェイ・サーバ)は、第2章でサービスの階層として、第3章でデバイスとして詳しく扱います。第1章で言葉をそろえておくと、後の章が読みやすくなります。
IaaS・PaaS・SaaS はどう見分けますか?
下から IaaS、PaaS、SaaS の順に階層になっています。IaaS はハードウェアやインフラ、PaaS はその上の基盤(データベースやアプリケーションサーバなど)、SaaS はソフトウェアの機能そのものを提供します。
クラウドとエッジコンピューティングは、どちらを使うのですか?
両方を使い、分担します。全データをクラウドで扱うと通信量や保管量に限界が出るため、データが生まれる場所の近くで処理できることはエッジで行い、残りをクラウドで行います。
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