第3章 IoTデバイスを理解するの要点
センサ、測位、カメラ、電源とものづくりの用語を整理
- 第3章は、IoT システムの入口と出口であるセンサとアクチュエータ、マイコンまわりの部品、測位、カメラ、電源と開発の方法を扱う章です。
- I2C と SPI、CCD と CMOS、GNSS とデッドレコニング のような似た用語の違いが問われます。
- 用語は「何に使う部品・技術か」で6つに分けると、覚えやすくなります。
この章で問われること
第3章「IoTデバイスを理解する」は、IoT システムの末端にあるデバイスの技術を扱います。センサとアクチュエータ、デバイスの中の部品や通信方式、位置の測り方、カメラ、電源、そして試作の進め方まで、幅広く出ます。
本番の60問のうち、第3章からは8問前後と予想しています。もちこ道場の模擬試験(60問・60分)は、全8章からほぼ均等に問題を出す作りで、第3章からは8問を出しています。試験全体の約13%にあたります。
もちこ道場の第3章の問題は90問です。本番と同じ3つの形式に分けると、次のようになります。
| 形式 | 問題数 |
|---|---|
| 穴埋め(1か所) | 30問 |
| 穴埋め(組み合わせ) | 30問 |
| 誤った記述を選ぶ | 30問 |
出てくる用語は、何に使う部品・技術かで、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。
6つのまとまりと押さえる用語
1. センサとアクチュエータ
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| センサ | 現実世界の情報を取り込む入口。物理的・化学的な量を測ってデータにする |
| アクチュエータ | 現実世界への出口。エネルギーを運動に変えて出力する(モータが代表例) |
| ジャイロセンサ | 物体の回転運動を角速度として測る(角速度センサ) |
| 圧力センサ | 外から加わる圧力を測る。マットなどで重量の検知に使われる |
| pHセンサ | 液体中の水素イオンの割合を測り、酸性かアルカリ性かを調べる化学センサ |
| RGBカラーセンサ | 赤・緑・青のカラーフィルタを組み合わせて色を測る光センサ |
2. デバイスの部品と接続
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| SoC | プロセッサやメモリ、通信コントローラを1個のチップにまとめる |
| MEMS | 微小電子機械システム。半導体技術で作りながら、立体構造と可動部を持つ |
| A/Dコンバータ | アナログ量をデジタルデータに変える |
| GPIO | マイコンと外部機器をつなぐ汎用の入出力端子 |
| I2C | 同期式。相手を I2C アドレスという番号で指定する |
| SPI | 同期式のシリアル通信。相手を SS という信号線で指定する |
3. 位置を測る
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| GNSS | GPS などの各国・地域の衛星測位システムをまとめた呼び名 |
| 三辺測量 | 複数の衛星との距離から位置座標を算出する原理 |
| BLEビーコン | 屋内で、電波の強さなどから距離を求める測位に使う |
| デッドレコニング | 自律航法。加速度センサやジャイロセンサのデータから現在位置を推定する |
| モーションキャプチャ | 複雑な動きを正確な3次元データとして取得する |
4. カメラと画像
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| CMOS・CCD | 撮像素子の読み取り方式。CMOS は相補型金属酸化物半導体 |
| LiDAR | レーザで周囲を走査し、高精度の奥行データを得る |
| フレームレート | 動画で1秒あたりに使う画像の枚数(fps)。大きいほど滑らかだがデータも大きい |
| 色深度 | 1画素あたりの色情報量(bpp)。大きいほど色の移り変わりが滑らか |
| 被写界深度 | ピントが合って見える距離の範囲。F値を小さくすると浅くなる |
| JPEG | 高い圧縮率で小さくできるが、不可逆圧縮で元の画質には戻せない |
5. 電源と発電
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 熱発電 | 機械や配管の熱を使う。ゼーベック素子やペルチェ素子による温度差発電が主流 |
| 色素増感太陽電池 | 低照度でも高効率に発電でき、形状を柔軟に変えられる |
6. ものづくりの方法
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| クラウドファンディング | ネット経由で多数の人から少額ずつ資金を募る |
| クラウドソーシング | 必要な人材をネット上で広く募って契約する |
| ハッカソン | 参加者が短期間に集中してサービスなどを作り上げ、競う催し |
| メイカームーブメント | ネットワークと個人で持てる工作機械による、製造業の新しい潮流 |
| モック | 本番製品の見た目をまねた模型 |
取り違えやすい組み合わせ
選択肢には、同じまとまりの用語が並びます。次の組み合わせは、一言で言い分けられるようにしておきます。
| 組み合わせ | 見分け方 |
|---|---|
| センサとアクチュエータ | 情報を取り込む入口か、動きを出力する出口か |
| I2C と SPI | 相手をアドレスで指定する(I2C)か、SS 線で指定する(SPI)か |
| ジャイロセンサと加速度センサ | 回転(角速度)を測るか、加速度を測るか |
| GNSS とデッドレコニング | 衛星の電波で測る(GNSS)か、センサのデータから推定する(デッドレコニング)か |
| クラウドファンディングとクラウドソーシング | 資金を募る(ファンディング)か、人材を募る(ソーシング)か |
| ハッカソンとメイカームーブメント | 短期間の開発の催しか、個人による製造の潮流か |
| フレームレートと色深度 | 1秒あたりの枚数か、1画素あたりの色の量か |
この章の勉強の進め方
- 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
- 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
- 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。
勉強の全体の計画は「勉強時間の目安と1か月の計画」にまとめています。
第3章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第3章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
マイコンとセンサを接続する方式のうち、オランダのフィリップス社によって提唱された同期式のシリアル通信方式であり、アドレスと呼ばれるID番号で通信先の周辺機器を指定して通信を行う方式を1という。
答えと解説を見る
正解は 2(I2C)です。
【概要】
I2Cはオランダのフィリップス社による同期式の通信方式で、相手の周辺機器をI2Cアドレスという番号で指定してやり取りする。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. SPIあなたの解答 SPIは旧モトローラ社が提唱した方式で、通信先をSSという信号線で指定するため、アドレス指定の方式ではない。
- 2. I2C正解あなたの解答 I2Cはフィリップス社提唱の同期式シリアル通信で、I2Cアドレスと呼ぶID番号で相手を指定する。
- 3. GPIOあなたの解答 GPIOはマイコン上で外部機器とつなぐ汎用ポートであり、特定の会社が提唱したシリアル通信方式ではない。
- 4. A/Dコンバータあなたの解答 A/Dコンバータはアナログの計測量をデジタルデータに変える回路であり、通信方式を指す用語ではない。
問2
光センサの一種であり、フォトダイオードに赤、緑、青の各色のカラーフィルタを組み合わせて色の測定を行うことができるセンサを1という。
答えと解説を見る
正解は 1(RGBカラーセンサ)です。
【概要】
RGBカラーセンサは光センサの一種で、フォトダイオードに赤・緑・青それぞれのカラーフィルタを組み合わせて色を測定する。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. RGBカラーセンサ正解あなたの解答 RGBカラーセンサは色ごとのフィルタとフォトダイオードを組み合わせ、光の色を測るセンサである。
- 2. LiDARあなたの解答 LiDARはレーザ走査で周囲の奥行データを得る仕組みであり、光の色を測定するセンサではない。
- 3. CCDあなたの解答 CCDはデジタルカメラの撮像素子に使われる電荷結合素子であり、色測定用の光センサの名称ではない。
- 4. CMOSあなたの解答 CMOSは撮像素子に使われる相補型金属酸化物半導体であり、色を測る光センサの名称ではない。
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よくある質問
第3章はどの章とつながっていますか?
第2章がサービス全体の階層を扱うのに対し、第3章はその一番下にある「対象」側の機器を見ます。ロボットやドローンなど、デバイスを使った応用システムは第4章です。
センサとアクチュエータは何が違いますか?
センサは現実世界の情報を取り込む入口で、物理的・化学的な量を測ってデータにします。アクチュエータは現実世界への出口で、エネルギーを機械的・物理的な運動に変えて出力します。
A/D コンバータは何のために必要ですか?
センサが測ったアナログの量を、デジタルデータに変えてコンピュータへ渡すためです。
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出題範囲は、2026年10月26日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。