RPA と産業用ロボットの違い
ソフトウェアの自動化か、工場の機械か

更新日 2026年11月2日 読む時間の目安 約4分
この記事の要点
  • RPA と産業用ロボットは、どちらも人が行う作業を代わりに行う自動化の仕組みで、広い意味ではどちらも「ロボット」です。
  • RPA は、パソコン上の定型業務を自動化する「ソフトウェア」のロボット、産業用ロボットは、工場で溶接・搬送・組み立てなどを行う「機械」のロボットです。
  • 産業用ロボットは、動かし方(ティーチングプレイバック)や形(垂直多関節・水平多関節・直交・パラレルリンク)の用語も一緒に出ます。
この記事の目次
  1. RPA とは
  2. 産業用ロボットとは
  3. 違いを表で比べる
  4. 試験での問われ方
  5. 覚え方
  6. 第4章の問題を解いてみる
  7. よくある質問

RPA とは

RPA(Robotic Process Automation)は、人がパソコン上で行う定型的な業務を、ロボットに記憶させて自動化する技術です。物理的な体を持たないソフトウェアのロボットなので、ソフトウェアロボットとも呼ばれます。

事務作業のようなホワイトカラーの仕事の生産性を上げる手段として期待されており、IoT 技術とあわせて、人手不足などの課題を和らげる効果が見込まれています。

産業用ロボットとは

産業用ロボットは、工場などで溶接・搬送・組み立てなどの作業を行う機械のロボットです。従来のロボットは、コントロールされた環境の中で同じ作業を繰り返すことが得意で、特に工場の組み立てなどで導入が進んできました。

動かし方は、ティーチングプレイバックが一般的です。ティーチングペンダントで実機を動かして動作を記録し、その動作を再生して作業をさせます。近年は、センサを載せた産業用ロボットをネットワークにつないでデータを集め、AI で生産管理やメンテナンスに生かす取り組みも進んでいます。

形による主な種類は、次のとおりです。

  • 垂直多関節ロボット: 人の腕に似た形で、6軸が主流の汎用的なロボットアーム。産業用で最もよく使われます。
  • 水平多関節ロボット: SCARA 型とも呼ばれ、水平方向に動くアームの先端を上下させて、押し込む作業に強いロボットです。
  • 直交ロボット: 単軸の直動ユニットを組み合わせた、シンプルな構成のロボット(ガントリーロボット)です。
  • パラレルリンクロボット: 並列なリンクで1点の動きを制御する、高精度で高出力のロボットです。
  • 人間協調型ロボット: 条件を満たせば、人と同じ作業スペースで一緒に働けるロボットです。
RPA と産業用ロボットの違い RPA(ソフトウェアのロボット) パソコン上の定型業務を自動化 体はない。人の作業を記憶して代行する 産業用ロボット(機械のロボット) 工場で溶接・搬送・組み立てを行う アームなどの機械。ティーチングで動作を覚える どちらも、人の作業を代わりに行う自動化の仕組み
RPA と産業用ロボットの違い(もちこ道場のまとめ)

違いを表で比べる

比べること RPA 産業用ロボット
姿 ソフトウェア(物理的な体がない) 機械(アームなどの体がある)
自動化するもの パソコン上の定型業務(事務作業) 工場の溶接・搬送・組み立てなどの作業
覚えさせ方 人が行う作業を記憶させる ティーチングペンダントで動作を記録し、再生する
期待される効果 ホワイトカラーの生産性向上 工場の自動化、スマート化
別の呼び方・種類 ソフトウェアロボット 垂直多関節・水平多関節・直交・パラレルリンク・人間協調型

試験での問われ方

IoTシステム技術検定 基礎では、第4章「IoT応用システムを理解する」で出ます。もちこ道場の第4章の問題(全90問)のうち、RPA と産業用ロボット(種類・ティーチングを含む)を扱う問題は24問あります。

  • 穴埋め: 「人がパソコン上で行う定型的な業務を、ソフトウェアロボットに記憶させて自動化する技術」に RPA を選ぶ。選択肢には、SLAM・LiDAR・M2M など、別の分野の用語が並びます。「人の腕に似た 6軸の汎用的な産業用ロボット」に垂直多関節ロボットを選ぶ問題もあります。
  • 2つの空欄の組み合わせ: 物理的な実体を持たない RPA と、生産性向上のために RPA とともに活用が期待される IoT を、続けて選ぶ。
  • 記述を選ぶ: 「RPA は工場で溶接や塗装を行うハードウェアのロボット」のように、RPA と産業用ロボットの性質を入れ替えた記述を見抜く。

覚え方

  • 働く場所で分けます。RPA は「パソコンの中の作業員」(名前に Robotic と付くが体はない)、産業用ロボットは「工場の中の機械」です。
  • 「定型業務」「ホワイトカラー」「ソフトウェアロボット」が出たら RPA、「溶接」「搬送」「ティーチング」「多関節」が出たら産業用ロボットです。

第4章のほかの用語は「第4章 IoT応用システムを理解するの要点」にまとめています。

第4章の問題を2問、解いてみる

もちこ道場の第4章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。

問1

人間がパソコン上などで行う定型的な業務プロセスを、ソフトウェアロボットに記憶させて自動化する技術を1と呼ぶ。生産性向上のための解決策として導入が進んでいる。

答えと解説を見る

正解は 2(RPA)です。

【概要】

RPAはソフトウェアロボットとも呼ばれ、人が行う作業を記憶させて定型業務を自動化する技術であり、生産性向上の手段として期待されている。

【図解】実験的機能

ロボットの定義・分類とRPA ロボットの定義・分類とRPA

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. SLAMあなたの解答 SLAMは自己位置の推定と環境地図の作成を同時に行う技術であり、パソコン上の業務を自動化する技術ではない。
  • 2. RPA正解あなたの解答 RPAはソフトウェアロボットとも呼ばれ、人の作業を記憶させて定型業務を自動化する技術である。
  • 3. LiDARあなたの解答 LiDARはレーザ光の反射から対象物までの距離などを測る光学センサであり、業務の自動化技術ではない。
  • 4. M2Mあなたの解答 M2Mは機械同士が人を介さずに通信して制御する仕組みであり、人の定型業務を記憶して代行する技術ではない。

問2

人間の腕に似た形状を持ち、3次元空間の作業をカバーできる6軸機構が主流の汎用性が高い産業用ロボットを1と呼ぶ。

答えと解説を見る

正解は 4(垂直多関節ロボット)です。

【概要】

垂直多関節ロボットは人の腕に似た形からロボットアームとも呼ばれ、6軸機構で3次元の作業をこなす、産業用で最も活用されている汎用的なロボットである。

【図解】実験的機能

産業用ロボットの形状による分類とティーチングプレイバック 産業用ロボットの形状による分類とティーチングプレイバック

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. 水平多関節ロボットあなたの解答 水平多関節ロボットはSCARA型とも呼ばれる4自由度構成のロボットであり、6軸で人の腕に似た形状ではない。
  • 2. 直交ロボットあなたの解答 直交ロボットは直交するスライド軸を組み合わせたロボットであり、直線移動のみで人の腕のような形状ではない。
  • 3. パラレルリンクロボットあなたの解答 パラレルリンクロボットは並列なリンクで1点の動きを制御するロボットであり、人の腕に似た6軸機構ではない。
  • 4. 垂直多関節ロボット正解あなたの解答 垂直多関節ロボットはロボットアームとも呼ばれ、6軸機構が主流で搬送から塗装まで幅広く使われる。
問題を解いて確かめる

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よくある質問

実体のない RPA を、なぜ「ロボット」と呼ぶのですか?

ロボットを広い意味で、人間が行う作業を代わりに行う自動化システム全般と考えるからです。この考え方では、自動運転車や無人のドローン、スマートスピーカー、そして物理的な体を持たない RPA のようなソフトウェアも、ロボットに含められます。RPA が「ソフトウェアロボット」と呼ばれるのはこのためです。

人と同じ場所で働く協働ロボットも、産業用ロボットですか?

産業用ロボットの種類の1つとして出てきます(人間協調型ロボット)。従来の産業用ロボットは、安全のために人から隔離して使うのが基本でした。安全技術の発展や規制緩和により、条件を満たせば人と同じ作業スペースで一緒に働けるようになった、というのが試験で問われる点です。

ティーチングプレイバックとは何ですか?

産業用ロボットの動かし方の1つです。ティーチングペンダントという操作機器で実際にロボットを動かして動作を記録(ティーチング)し、その記録を再生(プレイバック)して作業をさせます。人の作業を覚えさせて繰り返させる点は RPA と似ていますが、こちらは機械の動きを覚えさせる方法です。

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出典・注記

出題範囲は、2026年11月2日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。

  1. IoTシステム技術検定 基礎(MCPC 公式)