センサとアクチュエータの違い
情報を取り込む入口か、動きを出す出口か
- センサとアクチュエータは、どちらも IoT デバイスの構成要素で、現実世界との接点です。
- センサは、物理的・化学的な量を測ってデータとして取り込む入口、アクチュエータは、エネルギーを機械的・物理的な運動に変えて出力する出口です(モータが代表例)。
- 取り込む側の変換は A/D コンバータ、出力する側の変換は D/A コンバータとセットで覚えます。
センサとは
センサは、温度や圧力のような物理的・化学的な量を測って、データとして取り込む部品です。IoT システムで現実世界の情報を取り込む「入口」にあたります。
測るものによって、さまざまな種類のセンサが製品になっています。測った値はアナログの量なので、コンピュータで扱うには、A/D コンバータ(アナログからデジタルへの変換回路)でデジタルのデータにして取り込みます。
センサは、測るものによって大きく2つに分けて整理されます。
- 物理センサ: 力や電気・磁気に関する量を測ります。圧力センサ(乗ったものの重さの検知にも使う)、加速度センサ、ジャイロセンサ(回転を角速度で測る)、測距センサ(超音波などで距離を測る)、磁気センサ(地磁気で方位を測る)などがあります。
- 化学センサ: 化学的な反応で、特定の成分の割合を測ります。液体の酸性・アルカリ性を調べる pH センサ、大気中の成分の濃度を測る空気品質センサ(ガスセンサ・においセンサ)、血液や尿の糖分などを測るバイオセンサなどがあります。
アクチュエータとは
アクチュエータは、コンピュータからの制御を受けて、エネルギーを機械的・物理的な運動に変えて出力する部品です。現実世界への「出口」にあたり、モータが代表例です。
コンピュータが扱うのはデジタルの値なので、DC モータのように電流の大きさで動きが変わるアクチュエータは、D/A コンバータ(デジタルからアナログへの変換回路)でアナログの電気信号に変えて制御します。
IoT デバイスは、このセンサとアクチュエータに、全体を制御してデータを処理するコンピュータを加えた3つで構成されます。コンピュータは、センサで取り込んだデータを蓄積・加工し、必要に応じてアクチュエータへ指示を出します。
違いを表で比べる
| 比べること | センサ | アクチュエータ |
|---|---|---|
| 役割 | 現実世界の情報を取り込む(入力) | 現実世界へ動きを出す(出力) |
| 現実世界との関係 | 入口 | 出口 |
| 扱うもの | 物理的・化学的な量の計測 | エネルギーを機械的・物理的な運動に変換 |
| 変換回路 | A/D コンバータ(アナログからデジタル) | D/A コンバータ(デジタルからアナログ) |
| 例 | 圧力センサ、ジャイロセンサ、pH センサ | モータ(DC モータなど) |
試験での問われ方
IoTシステム技術検定 基礎では、第3章「IoTデバイスを理解する」で出ます。もちこ道場の第3章の問題(全90問)のうち、センサの種類とアクチュエータを扱う問題は24問あります。
- 穴埋め: 「物体の回転運動を角速度で測る物理センサ」にジャイロセンサ、「液体中の水素イオンの割合を測る化学センサ」に pH センサを選ぶ。選択肢には、加速度センサ・磁気センサ・超音波測距センサ、バイオセンサ・空気品質センサ・流量センサなど、別のセンサが並びます。
- 2つの空欄の組み合わせ: 「計測して取り込む入力機能」と「運動に変えて出力する機能」にセンサとアクチュエータを入れる。順番を逆にした選択肢も並びます。また、センサの値の取り込みに A/D コンバータ、アクチュエータの制御に D/A コンバータを選ぶ問題もあります。
- 記述を選ぶ: 「デジタル値をアナログ信号に変えるのは A/D コンバータ」のように、変換の向きを入れ替えた記述を見抜く。
覚え方
- 働きの向きで分けます。センサは入口(測って取り込む)、アクチュエータは出口(動かして出す)。動詞で言うなら「感じる」と「動かす」です。
- 変換回路は、取り込むときが A/D(アナログからデジタルへ)、出すときが D/A(デジタルからアナログへ)。センサの側が A/D、アクチュエータの側が D/A、と対応させます。
- 「回転ならジャイロ、加速なら加速度、重さなら圧力、酸性度なら pH」のように、測るものから逆引きできるようにしておくと、穴埋めで迷いません。
第3章のほかの用語は「第3章 IoTデバイスを理解するの要点」にまとめています。
第3章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第3章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
物体の回転運動を測定する物理センサの一種であり、角速度センサとも呼ばれる。ドローンなどの運動状態の検知に用いられ、空間的なあらゆる向きの回転を認識できるセンサを1という。
答えと解説を見る
正解は 1(ジャイロセンサ)です。
【概要】
ジャイロセンサは物体の回転運動を角速度として測る物理センサで、角速度センサともいう。3軸で測れば空間のあらゆる向きの回転を把握できる。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. ジャイロセンサ正解あなたの解答 ジャイロセンサは回転軸ごとに回転の強さを測り、3軸測定でドローンの回転状態などを捉えられる。
- 2. 加速度センサあなたの解答 加速度センサは物体の加速時に加わる力からXYZ各軸の加速度を測るもので、回転の角速度は測らない。
- 3. 磁気センサあなたの解答 磁気センサは磁気の強さを測るセンサで、地磁気による方位検出に使われ、回転運動の測定用ではない。
- 4. 超音波測距センサあなたの解答 超音波測距センサは超音波の反射で対象物との距離を測るもので、物体の回転運動は測定しない。
問2
化学センサの一種で、液体中に含まれる水素イオンの割合を測定し、その液体がアルカリ性か酸性か、またその程度を調べるために利用されるものを1という。
答えと解説を見る
正解は 2(pHセンサ)です。
【概要】
pHセンサは化学センサの一つで、液体中の水素イオンの割合を測って酸性かアルカリ性か、その度合いを調べる。水質評価に利用される。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. バイオセンサあなたの解答 バイオセンサは血液中の糖分やホルモンなど生体に近い情報を測るもので、液体の酸性度は測らない。
- 2. pHセンサ正解あなたの解答 pHセンサは水素イオンの含有割合から液性を調べ、飲料水や河川などの水質評価に使われる。
- 3. 空気品質センサあなたの解答 空気品質センサは大気中の成分濃度を測るもので、液体中の水素イオンを測定する用途ではない。
- 4. 流量センサあなたの解答 流量センサは水や空気の流れる量を測る装置であり、化学反応で液体の酸性度を測るものではない。
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よくある質問
モータはセンサとアクチュエータのどちらですか?
アクチュエータです。モータは電気のエネルギーを回転の運動に変えて出力する、アクチュエータの代表例です。DC モータのように、電流のかけ方で回転の向きや強さが変わるものは、コンピュータのデジタル値を D/A コンバータでアナログの電気信号に変えて制御します。
物理センサと化学センサは、何で分けるのですか?
測るものの種類で分けます。物理センサは、力や電気・磁気に関するもの(圧力、加速度、回転、距離、磁気など)を測ります。化学センサは、化学的な反応を利用して、液体や空気に含まれる特定の成分の割合を測ります。化学センサは、測るうちに劣化しやすく、交換や較正(キャリブレーション)が必要なものが多いのも特徴です。
加速度センサとジャイロセンサは、どう区別しますか?
加速度センサは、物体が加速するときに加わる力から加速度を測ります。ジャイロセンサは、物体の回転の速さ(角速度)を測るので、角速度センサとも呼ばれます。ドローンの動きを調べるときは、加速度3軸と角速度3軸を合わせた6軸のセンサがよく使われます。
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出題範囲は、2026年11月2日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。